PROFILE
トモノショウコ フードコーディネーションと食品メーカーのメニュー開発などを経て、代官山の「カフェラクダホテル」というカフェで料理人として携わりました。 2006年3月、40歳で初出産。 現在美味しい生活より一変、正しい生活を研究中です。 LINK All About [カフェごはん] 以前の記事
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これはなんでしょう? 正解は、茹でて水にさらしたカボチャです 茹でた皮からはスイートポテトの甘い匂いがしますが、実自体に甘みはほとんどなく、食感は青パパイヤに似ています 今から10年ほど前の数年間、ちょうどこの季節は長野・新潟出張の真っ只中だった 月曜の朝に出発して、金曜の夜家に帰る 主にスキー場関係展示会の新商品ご紹介ツアー 自然を知らない都会っ子の私に、「雪の降る前の紅葉狩りだよ」と仕事中の合間をみて奥只見湖まで案内してくれた小出町の人もいた 水桶に朝氷が張るこの季節は野沢菜や大根、白菜などを漬ける季節でもある 井戸を囲んで談笑しながら、皆でこれでもかというほどの野沢菜を洗っている 仕事中にちょっと開放される時間は、そこに混じって一緒に野沢菜を洗ったりする 手がみるみるうちに真っ赤になり、おばちゃんがハンドクリームをすりすり塗ってくれるのだった 泊まったペンションや旅館に私の住所を聞き、ほどよく漬かった野沢菜を送ってくれた人もいる 少しの権力もない私を連日飲みに連れ出してくれる人々 今ここでなにが、どのようにすれば美味しいか、そんなことを言葉少なく食べさせてくれる人々 スキーシーズン前、年で一番忙しい時期の旅館を私だけのために開けてくれた一家がある 子供と一緒の朝ごはんにでてきた「そうめんカボチャ」のサラダ これはなに?と聞くと、かぼちゃだよ~と弟が言う か・ぼ・ちゃ?美味しいね~シャクシャクしてる初めて!と感動した私に展示会場までずっしりと重たい”かぼちゃ”を抱えてきてくれた学校から帰ったばかりの姉と弟 輪切りにして水から茹でて、少し柔らかくなったら冷たい水に浸して手でほぐしてから水にさらして、あとはサラダでも酢の物でもしなさいとお母さんはぶっきらぼうに言った 両手で抱えるほどの大きい重いかぼちゃ 衣類などは全て布袋にしまいこみ、ソフトキャリーバッグに押し込んだけど形がぽっこりでていた 数年でその仕事は若い人が行くようになった 今TVで震災の報道を観るたびに、寒いからと熱いお茶を出してくれた、たくあんを炒めたお茶請けを出してくれた、足が濡れると長靴を家から持ってきてくれた、毛糸の温かい靴下を編んでくれた、あの人たちの顔と重なる 1日も早く素敵な笑顔が戻りますように そしてどうぞ今年だけは雪をもう少しだけ遅らせて
by cuoca_cucina
| 2004-11-01 23:35
| ツクル
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